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座談会
#02 - 浴室床材

-CROSS TALK #02
#02
試行錯誤の先に、
洗練された技術と信頼が生まれる

住江織物では、大手水回り住宅総合機器メーカーが扱うシステムバスルームの床表皮材を2014年から納入しています。
2017年にお客さまから次期モデルチェンジに向けて委託開発の打診があり、住江織物は正式受注を得るため、開発に取り組みました。
従来品と同程度の柔軟性や防汚性を維持しつつ、より細かな凹凸形状やこれまでになかった意匠性の表現など、数々の課題をクリアするために検討・打ち合わせ・試作を重ね製品をかたちにしたプロジェクトメンバーのうち3名の社員に当時の様子を伺いました。

MEMBER

小金澤あづみKoganezawa Azumi

研究・開発
(テクニカルセンター)
2017年入社

横山洸太Yokoyama Kota

営業
(機能性資材事業)
2019年入社

須見尚史Sumi Naofumi

製造
(奈良工場)
2011年入社

モデルチェンジをするにあたって、工夫を重ねた点とは?


小金澤

何より意匠性の再現ですね。今回は新規色として当社では生産していなかったブラウンのラインアップが増えました。この色の再現がなかなか難しく、明るさ・暗さ・黄色・赤色など色味を細かく調整し、何度もお客さまと打ち合わせを重ねました。
その色味の調整に4ヵ月、さらにその次に、床面の凹凸の意匠や排水性にも試行錯誤を行いましたね。求められる凹凸は従来のものより寸法が小さくなったため、加工方法も一から検討。さらに、量産機で安定して供給できる生産管理体制の構築のため多数の各種特性の物性評価試験や協力会社との連携を進めました。
何度も検討を重ね目標の性能をクリアし、何とか期限内に製品化が決まったとき、住江織物の社員はもちろん、一緒に取り組んだ協力会社やお客さまにも喜んでいただきました。いろいろな人に喜んでもらえる仕事をしているんだと実感しました。


横山

私は入社1年目でこのプロジェクトに参加させていただきましたが、知識も経験も少ないなかでお客さまとしっかりと話を進めることができたのは、小金澤さん・須見さんのサポートがあったおかげです。プロジェクト全体でサポート体制を組んでいただいたので、毎回お客さまのもとに自信をもって向かえました。


須見

私は入社当時から浴室床の表皮材事業に携わり、2014年に技術職として、先行モデルの開発・量産に関わってきました。小金澤さんはブラウンの色味の再現に苦労していたのは端から見ていてもよくわかりました。とにかくこのプロジェクトでは「良いことにしろ、悪いことにしろ、なんでも遠慮なく話すようにしよう」と話し合っていました。小金澤さんにも開発段階でいろいろと質問をいただき、自分なりに答えを返しました。結局「数をこなすしかない」というようなアドバイスになってしまいましたが(笑)。

須見さんも製造段階で幾度も試行錯誤をしていたと伺っていますが…


須見

今回のプロジェクトでは、会社初の熱ラミネート技術を導入したのですが、その製造過程においてはさまざまな課題がありました。熱や圧力など条件を変えながら、解消しようとしたのですがなかなか改善しません。解決方法を模索しながら、半年をかけて100回を超える試作とデータ収集を行い、満足がいく結果が得られたのは発売の数ヵ月前でした。
試行錯誤の段階において何度も議論を重ね、製品化への道筋を確かなものにしてくれた小金澤さんにはとても感謝しています。また、試作の物性試験や熱や圧力といった過剰条件の検討をともに行ってくださった開発の皆さんにも、本当に助けられました。私の経験からくる予測にデータで明確な根拠を与えてくれたのは本当に心強く感じました。


小金澤

本当に何度も試験を繰り返していましたね。ただ、それでも開発のみんなは須見さんの経験や知識を信じて試験に臨んでいたと思いますよ。
実際に今回、製品化できたのは須見さんと行ったたくさんの試作のおかげでもありますし、今回得られた知見で、新たな製品開発への道筋も開けるかもしれませんね。


横山

熱ラミネート工程において、試行錯誤の連続で時間がかかっていましたから、営業として進捗状況や見通しをお客さまへ適宜報告し、ご要望内容の正確な把握と内容に沿った取り組みを促進すべく、関係各部署への報告と相談交渉を幾度も行いました。
お客さまと製造、開発間との調整に苦労しましたが、意匠性や物性などの数々の課題を根気よく検証・試作を重ねて解決に導く小金澤さんや、熱ラミネート加工の量産確立に尽力する須見さんなら、良い製品をつくってくれると信じる事で営業の役割をやり遂げられました。
そして無事、発売まで量産体制が整い、お客さまの要望に沿った商品を納入することが叶いました。発売後は順調に受注しており、市場評価も高く、消費者の方々に自信をもっておすすめできるモノが仕上がったと思います。

従来商品のモデルチェンジを成し遂げたことによって、事業継続だけでなくお客さまの要望にも十全に応える姿勢を示すことができた本プロジェクト。また広幅の多層熱ラミネート機は、日本国内でも珍しいもので、今後この機械を使った高付加価値製品の製造は、住江織物の一つの柱となる可能性を秘めています。 難題をこなすことで生まれるいくつもの技術、そして社員の成長と絆。明日の住江織物を築くのはこうした可能性に満ちたシナジーの副産物なのかもしれません。