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白神 信吉

-Shirakami Shinkichi

研究・開発
(車両内装材事業)
2009年入社

自分の開発した製品が、街中に溢れている幸せ

住江織物ではインテリア製品に加え私たちが日常生活で利用する鉄道やバス、航空機など公共の乗り物で使われる内装材を数多く手がけています。
私が携わっているのはそのうち鉄道車両のシートや表皮材、クッションなどの研究・開発。大学時代からエンドユーザーに近いモノづくりの現場で働きたいと思っていた私にとって、電車に乗れば自分の手がけたクッションや表皮材に出会えるという現在の仕事は、まさに理想的なものでした。

社内ではどのような研究を行っているのですか?

不特定多数の乗客が利用する鉄道車両の内装材には、高い耐久性が求められます。また万一の車両火災の際に備え、難燃性や有毒ガスの発生を極力まで抑えた素材選定も必要です。現在、当社で販売しているポリエステル製の“スミキューブ®”や私が開発に携わった、モノ・フィラメントを用いた“スミキューブエアー”などはこうした安全性をクリアした製品です。またこうしたもの以外にも社内では日々、自主的な製品の研究・開発が行われています。

当社は新しいことへの挑戦に非常に寛容な企業なので、思いついたアイデアをすぐに試して技術の蓄積ができるのが魅力です。こうして蓄積された製品のアイデアは、営業ツールやお客さまからの特殊なご要望に素早く応えるための有用な武器となります。

これまでに一番、苦労した・大変だった仕事はどのようなものですか?

シート表皮材の開発を行っていた時のことです。シートの表皮の裏側はバックコーティングを施して組織を固めるため、糸の色に変化や滲みが生じています。クライアントのデザイナーがこの色合いを気に入り「裏面を表にして使いたい」とおっしゃいました。前代未聞のことに私はその場で「無理です」とお断りしたのですが「ただ断るのではなく、考えるのがあなたの仕事です」とお叱りを受けてしまいました。

そこで私は社内のデザイナーに協力を仰いで一から開発を始め、時間はかかりましたが、先方の要望に沿う代替案を出すことができました。プロとしてプロジェクトに参加する以上、前例にとらわれずできることを模索する、その心意気と自分の至らなさを教えていただいた貴重な経験でした。

開発業務を進める中での目標とは?

ファブリックで言えば、もとはウールなどの天然繊維だったものが化学繊維に変わり、さらにそこから数十年という月日が経過しています。お客さまからは常に、こうした化学繊維に代わる“次の素材”を期待する声が多く挙がっています。私がこれから挑戦したいと思っているのは、そんな新しい素材の開発。既存製品や素材の規格変更も楽しいものですが、やはりいつかは「白神がつくったんだ」と言えるような根本から常識を覆す新しい素材・商品を生み出したいです。

住江織物は入社歴に関わらず、大きな仕事に携われる企業です。私も入社4年目にして、新幹線の内装材の開発に携わることができました。この自由で挑戦を尊ぶ職場であればきっと、自分の夢を実現することができると思っています。

ある日のスケジュール

多田さんから見た白神さん

白神さんとは、担当されているスミキューブに関する開発で一緒に仕事をしています。
私自身が一から開発に携わるという経験が少ない中で、まだまだわからないことや知識不足な点が多いのですが、白神さんに何度お聞きしても丁寧に教えてくださるので、スミキューブへの知識が深まり、お客さまへの提案もしやすくなりました。
また仕事も丁寧で、打合せ後すぐに議事録等の資料をきれいにまとめてくださるので、そのような点は特に見習いたいです。