ENTRY

住江織物の事業

-BUSINESS

自動車、公共交通機関、住まい…
日常生活や街中のいろいろな場所で住江織物の製品が活躍しています。
“繊維の会社”では言い表せない、多彩なフィールドがここにはあります。

Think
a beautiful life

インテリア事業

インテリア事業とは?

明治の時代より日本のインテリアの先駆者として、快適で安心な室内空間を創造してきました。
カーテン・カーペット・壁紙などを主力に、公共施設、ホテル、学校、病院、オフィスから、一般の家庭にいたるまで、デザイン性と機能性を兼ね備えたインテリア製品を、グループ一丸となって幅広く提供しています。

住江織物の開発理念

住江織物グループでは、1998年より「K(健康)K(環境)R(リサイクル)+A(アメニティ:快適さ)」という開発理念を掲げ、室内環境改善やリサイクル材の活用、環境負荷低減など、環境保全への取り組みを続けています。 製品の開発設計から資材調達・生産・販売・物流、そして使用・廃棄・リサイクルまでのライフサイクル、また事業活動全体が環境に与える影響を把握するよう努め、環境にやさしい製品づくりを進めています。

資源を未来へ
水平循環型リサイクルタイルカーペット「ECOS®(エコス)」

ECOS®は、従来廃棄していた使用済みタイルカーペットから再び新たなタイルカーペットとして生み出された、世界最高水準の水平循環型リサイクルタイルカーペットです。
市場に流通する従来品のほとんどは、再生材比率が約25~40%ほどでしたが、住江織物では独自のリサイクルシステムによって、最大80%以上の再生材比率を達成しています。CO2排出量も当社従来品から40%以上削減しているものもあります。

スミトロン®

スミトロン®は、使用済みペットボトルから再生したポリエステルチップを50%以上使用してつくられたリサイクル繊維です。汚れにくく、原液着色糸なので耐候・耐熱性に優れており、製品の長期利用が可能となります。
三次元捲縮加工で繊維にランダムな縮れを付与するため、かさ高性があり、ボリュームを出すこともできます。上記のECOS®への使用はもちろん、他にも自動車内装材や機能性資材など幅広い分野の製品に使用されています。

国会の赤じゅうたん

1891年、帝国議会議事堂に緞通を納入して以降、現在の国会議事堂にも「国会の赤じゅうたん」や本会議場の椅子張地などを納入し続けています。こうした高級な素材の製品も得意とする住江織物の本社には国会さながら、踏み心地抜群のじゅうたんを敷いています。ぜひ直接お越しになって見てみてください。

Total design
of car interior

自動車内装材事業

自動車内装材事業とは?

天井材、シート表皮材、カーマット、フロアカーペットなど、足元から天井まで自動車内装材をトータルで供給しています。現在ではすべての日系自動車メーカーに納入しており、国内だけでなく、アメリカ、メキシコ、中国、タイ、インドネシア、インドの海外6ヵ国11拠点に製造・販売を拡げ、世界最適供給体制を目指しています。

「付加価値」をプラスするモノづくり

織物、トリコット、ジャージ、合成皮革、カーペットなど、その他新素材を提案しながら、住江織物ではさまざまな機能性を持たせた内装材を開発しています。「移動手段」から「趣味や生活の空間」へと移行しつつある自動車の内装材では、デザイン性と高い機能性の両方が求められており、アクセント材である細幅織物「グレースコード」などのオンリーワン製品の開発や、製品への消臭・抗菌・抗ウイルス機能の付与など、高付加価値の内装材の提案を行っています。

高機能シート表皮材「セルクロス®」

湿式発泡技術により、水浸入を防ぐ防水性とムレの発生を抑える透湿性の2つの機能を併せ持つ合成皮革です。耐久性に優れた樹脂の塗布方法を調整することで摩耗性も向上させつつ、多彩な柄表現も施せる高機能な内装材です。住江織物では他にもこうした高機能な新素材の提案を積極化しています。

外装にも繊維の製品を

近年では音響性能の高度化と車体の軽量化のため、ホイルハウスやエンジンカバーなどの部位を繊維素材化することで製品の供給範囲を拡げ、トータルサプライヤーとしてビジネスの多角化を進めています。内装材だけでなく、外装材も供給できる提案力の強さが、住江織物の最大の特長です。

現在から未来へ I.I.2.0

「100年に1度」と言われる転換期を迎えつつある自動車産業の先を見据え、住江織物では“Intelligent Interior 2.0”と名付けられたプロジェクトが2018年よりスタートしました。自動運転の普及により、くつろぎの空間が求められるようになる一方、カーシェアリングが進み公共空間としての役割も増えるという予測から、「パーソナルかつパブリックな空間」のデザインをカギとしています。自動車部門だけでなくインテリア部門などともタッグを組み、2025年の次世代車を想定した革新的なデザインを検討するなど、今後も新たな開発に挑戦していきます。

Challenge
to the space

鉄道・バス・船舶・航空機内装材事業

鉄道・バス・船舶・航空機内装材事業とは?

新幹線、電車、バス、船舶、航空機などの公共交通機関に、シート表皮材やカーテン、壁装材、床材にいたるまで内装材をトータルで提案しています。JR、私鉄、公営交通に納入し、1世紀以上にわたりトップシェアを誇っています。パイオニアとして信念を持ち、快適でかつ、安全性・環境性に優れた製品を開発しています。

移動にプラスアルファの快適を

住江織物では、皆さんが普段目にする通勤・通学列車をはじめ、特別列車や観光バスなど幅広く内装材を納入しています。多くの人が利用する公共の空間でありながら、その車両独自、オンリーワンの製品を開発し、お客さまの快適性を追求しています。さまざまな部位の内装材を提案できる住江織物では、空間全体をコーディネートして提案できることも大きな強みとなっています。

モケット

モケットとは、「パイル」と呼ばれる糸を密に短く直立させた表面が特徴の織物のことです。肌触りがなめらかで耐久性に優れており、主に車両用シート地として使用されています。当社の社名にもあるこの「織物」とは、たて糸とよこ糸で構成される組織のこと指し、モケットはこうした地組織にパイルを接結させて織り上げます。1896年に当社が日本で初めて手織りシート地の「ワナモケット」(現在のモケットの前身)の製作に成功して以降長く使用され続けていますが、近年では特殊なパイル糸を用いたり、表面に機能加工を施したりと、これからも市場の期待に応え進化させていきます。

安全で快適な車両づくり

ポリエステル製シートクッション材「スミキューブ®」は、火災発生時にシアンガスのような有毒ガスが発生しない安全な素材を使用しています。
写真のJR東日本E235系では、シート表皮材に加え、このスミキューブ®も採用いただいており、JR、私鉄や公営交通の通勤車両だけでなく、より高度な快適性が求められる特急や新幹線にも幅広く採用されています。

床面表示フィルム「PHフィルム」

環境や安全に配慮した簡易施工可能な鉄道・バスの出入り口や車内の事故防止・注意喚起のための表示フィルムです。「耐破れ性」「耐めくれ性」「耐摩耗性」「耐汚れ性」の4つの性能を有しており、人通りの激しい環境下での長期間の施工にも高い耐久性能を示します。
2018年にはこのPHフィルムの開発で当社の社員が一般社団法人大阪工研協会の「工業技術賞」を受賞しました。

Pursuit of
functionality

機能性資材事業

機能性資材事業とは?

インテリアや自動車・車両内装といった従来の事業領域に捉われない分野や業界をターゲットに事業を展開しています。繊維・非繊維に関係なく多様に展開し、当社が歴史の中で培ってきた独自技術を応用した商品展開のみならず、バイオテクノロジーに基づく機能性素材といった分野でも新しい価値を提供しています。

多様な用途開発

機能性資材部門では、大手家電メーカーのOEM商品なども取り扱っています。その一つの電気カーペット関連の製品は中国とベトナムの自社工場で製造しています。また、空気清浄機の消臭フィルターも取り扱っており、そこには当社の独自消臭加工技術「トリプルフレッシュ®」が用いられています。この消臭技術を活かし、OEMではなく自社製品として家庭用置き型脱臭・消臭剤の「Tispa」も販売するなど、常に新しい挑戦を続けています。

「トリプルフレッシュ®」

1998年にシックハウス症候群の原因となったホルムアルデヒドを吸着分解する消臭技術「トリプルフレッシュ®」を開発。空気清浄機などだけでなく、カーペット、カーテン、壁紙、自動車内装材、鉄道車両用シート表皮材など多くの製品に活用されてきました。また、消臭性試験方法の国際標準化にも参画し、2014年4月、ISO 17299-5として発行されました。20年にわたって培ってきた高度な評価技術が当社製品の品質を高めています。

環境にやさしいオレフィン素材

これまでに培ってきたオレフィン素材のシート成型技術を活かし、適度な柔軟性や親水性など、浴室に求められる数々の機能を満たした浴室用の床材を開発しました。オレフィンとは、木や紙と同じように「炭素:C」「水素:H」「酸素:O」からなり、燃焼しても有毒ガスを発生しない人と環境にやさしい材料です。足裏にソフトな肌触りで気持ちよく、濡れた状態でも滑りにくく、転んだ場合でも衝撃を緩和する安心で快適な浴室用床材を提供しています。

健康食品「柿ダノミ®」

「柿ダノミ®」は奈良県産の柿から特許製法により抽出した高純度・無臭タイプの柿渋(柿ポリフェノール含有)を使用したサプリメントです。
奈良県生駒郡安堵町にある当社の技術開発センターでは、奈良県農業研究開発センター他と柿渋の機能性(消臭、抗菌)をインテリア製品に活用することを目的とし、共同研究を行っていました。
また、当社では2012年よりKKR+Aの開発理念をもとに健康食品・化粧品原料の機能性研究及び販売を行っていた経緯から、“柿渋”を活用した健康食品の開発を開始しました。平成28年度奈良県「高付加価値獲得支援補助金・ご当地食品開発事業」に採択され、ヒト臨床試験を実施。近畿大学農学部との共同研究により、「柿ダノミ®」は生まれました。

技術紹介

クインテック®

「クインテック®」はインテリア製品をはじめ、ホテル・施設・自動車・電車・航空機の内装材に多数採用されている消臭機能「トリプルフレッシュ®」をベースに、抗ウイルス・抗菌防臭・抗アレルゲン・防ダニの5つの機能を独自の配合技術および評価技術をもって開発した複合機能加工です。5つの機能を奏でる技術の意味で「クインテック®」と名付けました。室内や車内をより清潔・快適にする機能として、一つの部門に限らずさまざまな内装へこの新機能を提供していきます。

スマートテキスタイル

住江織物では、従来のインテリア繊維製品技術を用いて、近年注目されているスマートテキスタイルの分野にも挑戦しています。糸の周りに有機薄膜太陽電池を形成した当社独自の技術である繊維 / 布型太陽電池や、導電糸と吸水速乾糸を工夫し、水に濡れた際に反応する検知布などの研究・技術開発にも力を注いでいます。こうした技術を将来的にセンサーファブリックとして活用し、介護・医療・健康・スポーツなど、さまざまなフィールドでの商品化を目指しています。