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神谷 彩香

-Kamiya Ayaka

デザイン
(自動車内装材事業)
2018年入社

20年、30年、愛され続ける自動車のシートを生み出すために

大学・大学院でテキスタイルを学び、長く使われる製品のモノづくりを目指して住江織物に入社。現在は自動車用シートの表皮材のデザインをしています。
開発期間が長く、自動車業界で自分の力を発揮していくためには常にアンテナを張り、トレンドを意識しながら知識と技術を学んでいく必要があります。インテリア関係のトレンドブックやデザイン展示会、休日の外出先で見かけた椅子の布地や素敵な服の質感まで、あらゆることが自分のデザインを磨く糧となっています。

住江織物での自動車シートの表皮デザインはどのようにして行われるのですか?

まずクライアントとなる自動車メーカー様から開発車種のデザインコンセプトを受け、私たちはそれを元に表皮材をデザインしていきます。クライアントとの初回のミーティングを皮切りに、その2ヵ月から長いもので1年ほど後にプレゼンテーションが行われます。

この期間、何度もクライアントと打ち合わせを重ね、イメージに近い提案用の試作品を作り上げていくのですが、これがいつも試行錯誤の連続。例えばコンセプトが“クール”であったとして、クライアントの思い描くものと、私の考えるイメージは同じではありません。そのためできる限り相手の要望を汲み取れるデザインや素材感を求めて、市場調査や参考になるサンプルを収集し、クライアントとイメージをすり合わせていきます。

住江織物ならではの仕事のスタイルや提案の仕方について教えてください。

住江織物での仕事の魅力は、たくさんの人と関わりながらモノづくりができるところです。
当社のグループ企業には生産工場もあるので、開発時にすぐ現場に赴き、素材を確認しながら設計の担当者とその場で改修が図れるなどスピード感があります。ただ設計や製造の方は、物性に関して知見が深く、製品づくりも自然と素材の性質よりの視点になります。お客さまの求める製品を生み出すためには、デザイナーとしての芯を持ち物性・デザインを両立させる意志や技術が必要となります。そうして、双方の意見をまとめ上げて生まれたデザインは、やはりお客さまにも喜んでいただけますね。

これまでの提案で印象に残っているのは海外向けの車種のシート加飾材を手がけたことです。クライアントから伝えられたイメージはデザインに落とし込み難いものでしたが、過去の試作品を研究し、いろいろな部署の方にお手伝いいただいてやっと納得のいくものができました。この試作品をイメージしやすいよう縫製して先方にお見せしたところ、非常に良い評価をいただきました。

神谷さんの目指す“モノづくり”の先にある目標や夢は何ですか?

これからも自動車のシート表皮のデザインに取り組んでいきたいと考えています。できれば日本にとどまらず、世界中を走る車のシートデザインに携わりたいです。いつか、自動車メーカー様の要望を超えるようなかっこいいデザインを創り出すこと、そして、その車が名車として多くの人に20年、30年と乗り続けられることが私の夢です。

当社のデザイナーのほとんどが担当のメーカー様を持ち、そのお客さまのデザイン傾向や考え方に没頭して仕事をすることができます。さらに、社内では各担当者がそれぞれのメーカー様の情報を共有するので、広く深く知識を身につけることができます。この環境でこれからも研究を続け、常に今よりもっと良い“モノづくり”に向けて努力を重ねていきたいです。

ある日のスケジュール

西村さんから見た神谷さん

私は主に自動車のシート表皮材の開発に関する部署にいますが、神谷さんとは開発のキックオフから自動車メーカー様に内定をいただくまでの間、一緒に仕事を進めています。好奇心旺盛で勉強熱心なところがあり、加工場などでも積極的に質問している姿をよく見ます。流行にも敏感な方で、発売されたばかりの新しいスマートフォンを持っているのを見て驚いたこともありました。