トップメッセージ

 ESG経営を実践しながら、新たな領域へ事業を拡大します。

はじめに

 新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々に謹んでお悔やみ申しあげますとともに、罹患された方々とそのご家族に心よりお見舞い申しあげます。
 2021年5月期は、新型コロナウイルスの影響により厳しい事業環境となっております。感染防止を徹底することを最優先としつつ、当社の開発理念に基づき、よりよい製品づくりを通して、安心して暮らすことのできる持続可能な社会の実現へ貢献してまいります。

E:環境負荷低減への取り組み

 当社グループはこれまで、「K(健康)K(環境)R(リサイクル)+ A(アメニティ:快適さ)」の開発理念のもと、深刻化する環境問題に対し、メーカーの社会的責任として自社商品の環境負荷低減に取り組んでまいりました。

水平循環型リサイクルタイルカーペット「ECOS®(エコス)」

 2011年、産業廃棄物の再生に強みを持つリファインバース(株)との協業により、使用済みタイルカーペットを循環させる枠組みを確立し、水平循環型リサイクルタイルカーペット「ECOS®」を発売しました。同商品は使用済みタイルカーペットの再生材を裏材に用いることで、同一製品間での「生産→使用→再生」を実現しており、現在でも業界トップクラスの再生材比率を誇っております。また再生材原料をタイルカーペットに限定し、原料由来を明確にすることで、安全性にも配慮しております。
 限りある資源を有効活用し、リサイクルモデルのなかでもより高度な技術をもって、メーカーとしての「つくる責任」を果たしてまいります。

原液着色糸への移行

 当社グループでは、製品に使用する糸の着色方法を、白糸を染色する後染め方式から、紡糸段階で顔料を入れ着色させる原液着色方式へ段階的に移行しております。後染め方式では大量の水や電力を必要とし、また排水処理も必須となるため、環境負荷が高くなる傾向がありました。原液着色方式では排水処理の必要がなく、後染め方式に比べて生産時のCO2排出量が低減可能です。ほかにも、耐久性の高さや色のバラつきの少なさなど高い品質が期待できること、製造コストが抑えられることなど、後染め方式に比べた原液着色方式の優位性が認められております。今後も、環境負荷の低減と品質の向上を目指してまいります。

S:社会課題解決への取り組み

 当社グループは、創業当初より社会のニーズを捉えながら事業を展開し、成長を続けてまいりました。

独自消臭加工技術の開発

 シックハウス症候群が問題になった1990年代には、原因物質を吸着・分解する独自消臭加工技術を開発することで課題解決に取り組みました。その後も介護現場や住環境でのニオイの消臭など、時代の要望に合わせて、独自加工技術の強化を図ってまいりました。

抗ウイルス製品を各事業へ展開

 消臭からスタートした当社の繊維加工技術は、抗菌、抗ウイルス、抗アレルゲンの複合機能を持つ「トリプルフレッシュ®デオ」へと進化しております。インテリア事業では約10年前から抗ウイルス加工商品を販売しており、これまで培ってきた加工技術を活かし、今後は自動車・車両内装事業や機能資材事業においても、抗ウイルス製品の開発に取り組んでまいります。

G:ガバナンスへの取り組み

基幹システムの再構築

 業務のさらなる効率化を図るため、2017年より在庫管理や受発注システムなどの基幹システムの再構築をグループ全体で進めております。部門ごとに整備を進め、2022年を目途に全社へ本格展開する予定です。

グローバル化によるリスク分散

 現在、米国をはじめとした海外7ヵ国14拠点で事業を展開しており、2019年8月にはホットカーペットなど繊維系暖房商材の新たな生産・販売拠点として、Suminoe Textile Vietnam Co., Ltd.を設立いたしました。グローバル化を推進することで、競争力強化を図りながら、サプライチェーンにおけるリスク分散を目指します。

新たな事業領域へ

 2020年9月、アパレルや美容院、雑貨店、小売店などの設計・デザイン・施工および施工監理を行う(株)シーピーオーがグループに加わりました。当社インテリア事業では、カーペットやカーテン、壁紙などのインテリア内装材を販売しており、素材への機能加工技術とデザイン力について高い評価をいただいておりますが、店舗設計についての深い知見と卓越した施工ノウハウを持つ同社が加わることで、室内空間全体をデザインし、顧客要望をさらに高いレベルで具現化することが可能となります。今後は、インテリア内装材の製造販売から空間設計・デザインへ、また、従来ターゲットとしていたホテルやオフィス、医療・福祉・教育施設、一般ご家庭向けに加え、店舗分野へ事業領域を拡大してまいります。

 今般の新型コロナウイルスの感染拡大により、社会全体が大きな変化を余儀なくされております。当社でも、在宅勤務など働きやすい環境を整備し、WEB向け販売や非対面営業を強化することで、この厳しい経済情勢を乗り越えてまいります。その一方で、事業拡大への取り組みを進めており、新業態にも果敢に挑戦してまいります。

2020 年 12 月

住江織物株式会社代表取締役会長兼社長吉川 一三