中長期経営目標

中長期経営目標

1. SUMINOE GROUP WAYの概要

未来に向けて着実に「変わる」ため、中長期経営目標を策定しました。
SGW(SUMINOE GROUP WAY)と名付けたこの計画は2期・6年に及び、既に進行中です。

2. 中長期経営目標STEP I(2022~2024)​の振り返り

中長期経営目標​

実績と今後の課題

SGW STEPⅠの計画と実績
(売上高・営業利益は計画達成)

2024/5 計画 2024/5 実績
売上高(百万円) 93,490 103,478
営業利益
(百万円)
3,300 3,300
営業利益率(%) 3.5 3.2
ROE(%) 6.6 2.9
設備投資
(3ヵ年累計:百万円)
10,000 10,953

成果

  • アメリカ・メキシコ両子会社の生産体制再構築で北中米拠点の黒字化を達成(自動車内装事業全ての海外拠点が黒字化)
  • 適切な価格転嫁の実施
  • 水平循環型リサイクルタイルカーペット「ECOS®」のもつ高い環境性能の認知拡大
  • スペース デザイン ビジネスの拡大
  • 合成皮革工場の設立による新たな展開への種まき
  • グローバルサプライヤーとして北中米市場での認知拡大に取り組み、外資系メーカーからの受注を獲得

今後の課題

自動車内装事業

  • 事業横断による情報共有で提案力を強化
  • 北中米拠点の経営基盤強化と収益拡大
  • 外資系メーカーへの提案強化と新規商材の拡販

車両内装事業

  • 生産体制の最適化・効率化による収益拡大
  • 機能性商材の開発と拡販による販売拡大

インテリア事業

  • SUMINOE ブランドの認知拡大
  • 家庭用商材の販売回復に向けた戦略の実行

機能資材事業

  • 既存事業、既存製品カテゴリーからの拡大
  • ベトナム拠点の人材と生産設備の有効活用

3ヵ年連結収支計画・実績​

[単位:百万円]
3ヵ年連結収支計画・実績(2022~2024)
2021/5 2022/5 2023/5 2024/5 2021/5比
※2024/5実績
との比較
実績 計画 実績 計画 実績 計画 実績
売上高 79,702 86,480 81,713 90,360 94,828 93,490 103,478​ +23,776​ +29.8%
営業利益 1,049 1,160 110 2,520 1,294 3,300 3,300​ +2,251​ +214.5%
営業利益率 1.3% 1.3% 0.1% 2.8% 1.4% 3.5% 3.2%​
経常利益 1,211 1,350 950 2,730 1,575 3,530 3,668​ +2,457​ +202.8%
親会社株主に帰属する
当期純利益
409 620 281 1,280 320 1,960 874​ +465​ +113.6%
[単位:百万円]
主なセグメント別数値計画・実績(2022~2024)
2021/5 2022/5 2023/5 2024/5
実績 計画 実績 計画 実績 計画 実績​
インテリア事業 売上高 31,024 33,750 32,811 34,430 36,598 35,120 37,142​
営業利益 579 400 911 450 977 520 946​
自動車・
車両内装事業
売上高 45,102 48,980 45,005 51,910 54,314 54,170 62,800​
営業利益 2,102 2,800 1,127 3,590 2,230 4,170 4,427​
機能資材事業 売上高 3,130 3,410 3,548 3,680 3,550 3,840 3,127​
営業利益 △87 △140 △192 150 90 190 △66​

3. 中長期経営目標 STEPⅡ(2025~2027)の方針

STEPⅡの方針

重点テーマ

5つの重点テーマを追求するとともに、
実力の底上げを確実に進めていくことで2027年5月期までに目標の収益率を目指します。

各事業の方針​

自動車内装事業の方針

  • 市場動向

    • コロナ禍や半導体不⾜に起因する社会経済活動悪化からの回復
    • 中⻑期的な⼈⼝減少
    • 為替の変動、原材料価格・労務費の⾼騰
    • 次世代交通サービスMaaSの実⽤化など新たな需要の拡⼤
    • SDGs観点の広がり


    課題

    • 事業横断による情報共有で提案⼒を強化
    • 北中⽶拠点の経営基盤強化と収益拡⼤
    • 外資系メーカーへの提案強化と新規商材の拡販


    ⽅針

    グローバル戦略をアップデートすることで収益⼒向上の道筋をつけるとともに、
    北中⽶拠点における本格成⻑に向けた投資を進め、海外市場でのプレゼンスを⾼めます。


    • 合成⽪⾰の提案体制の整備とさらなる受注拡⼤
    • シートの加飾材などオンリーワン製品の新規受注と拡販
    • 技術プレゼンとデザインプレゼンによる新規顧客の発掘
  • グローバル展開の加速

    • 6ヵ国11拠点の自動車内装事業の海外拠点にベトナム拠点を加えることで、世界最適供給体制をより強化し、また海外でのSUMINOE ブランドの認知度を高めることで外資系メーカーへの拡販につなげます。

    非繊維領域の拡充

    • 2027年5月期目標の合成皮革売上100億円は、2024年5月期で達成するに至りました。今後は、メキシコ合成皮革工場を新たな成長エンジンに加え、安定的な受注獲得と生産体制の最適化・効率化で競争力強化を進めてまいります。

⾞両内装事業の⽅針

  • 市場動向

    • コロナ禍や半導体不⾜に起因する社会経済活動悪化からの回復
    • 中⻑期的な⼈⼝減少
    • 為替の変動、原材料価格・労務費の⾼騰
    • 次世代交通サービスMaaSの実⽤化など新たな需要の拡⼤
    • SDGs観点の広がり


    課題

    • ⽣産体制の最適化・効率化による収益拡⼤
    • 機能性商材の開発と拡販による販売拡⼤


    ⽅針

    1世紀以上にわたりトップシェアを誇るマーケットリーダーとして、伝統的な⽇本の⽂化や技術を守るとともに、技術⾰新にも取り組みます。


    • 効率的かつ安定的な⽣産体制の確保
    • 技術とノウハウの安全かつ適切な管理体制の構築
    • 他事業との連携による新市場の創出
  • ⾃動⾞・⾞両内装事業の3ヵ年計画

インテリア事業の⽅針

  • 市場動向

    • 外的要因による社会の変化
    • 新設住宅着⼯⼾数の減少
    • コロナ禍の終息
    • オフィスや商業施設建設の都市集中
    • サプライチェーンの弱体化


    課題

    • SUMINOE ブランドの認知拡⼤
    • 家庭⽤商材の販売回復に向けた戦略の実⾏


    ⽅針

    業界の先駆者としての誇りを胸に、既存事業の収益⼒強化と新たな価値創造に取り組みます。


    • 新たな需要の掘り起こしと他社との差別化
    • 中⾼級ゾーンへの積極的な市場展開
    • 市場変化に対応した物流効率化による販売強化
    • スペース デザイン ビジネスとのシナジー創出
  • インテリア事業の3ヵ年計画

機能資材事業の⽅針

  • 市場動向

    • 気候変動やコロナ禍後の⽣活スタイル変化による消費者ニーズ・購買動向の変化
    • 為替の変動、原材料価格・労務費の⾼騰
    • SDGs観点の広がり


    課題

    • 既存事業、既存製品カテゴリーからの拡⼤
    • ベトナム拠点の⼈材と⽣産設備の有効活⽤


    ⽅針

    全社に展開する技術の源泉として、スマートテキスタイルなど新機能開発に取り組み、新たな成⻑事業の醸成を図ります。


    • 社会課題や市場ニーズに即した製品開発の推進
    • スマートテキスタイルなど次世代に向けた新領域への開発強化
    • 他事業との連携によるベトナム拠点の運営の最適化
    • 独⾃の素材や加⼯技術を応⽤した⽤途開発と他分野への進出
  • 機能資材事業の3ヵ年計画

技術開発の方針​

グループ力の強化と人材育成を基盤に、研究・技術力を強化。
世の中に存在する数多くのニーズに対し、「あらゆる空間に、イノベーションを。」生み出してまいります。

  • 強化&融合

    • 吸着加工技術
    • 難燃技術
    • 樹脂配合技術
    • 加工技術
    • 分析評価技術

    NEW
    新規・知財連動型のコア技術の創出

  • グループ力の強化

    • グループ各社のコミュニケーション推進によるシナジー効果の創出
    • SUMINOE GROUP全体の知的財産の見える化

    人材育成

    • 開発事例・データの見える化による技術および品質の共有推進
    • 試験業務と既存開発業務、新規開発業務の再編、および各従業員の育成
    • 測定機器の動画マニュアル作成による汎用化
    • 海外人材や中途のキャリア人材を積極的に採用

3ヵ年連結収支計画

[単位:百万円]
3ヵ年連結収支計画(2025~2027)
2024/5 2025/5 2026/5 2027/5 STEPⅠとSTEPⅡ
最終年の比較
実績 計画 計画 計画 (率) (額)
売上高 103,478 105,300 106,000 109,000 +5.3% +5,521
営業利益 3,300 3,300 4,200 5,000 +51.5% +1,699
営業利益率 3.2% 3.1% 4.0% 4.6%
経常利益 3,668 3,400 4,200 5,000 +36.3% +1,331
親会社株主に帰属する
当期純利益
874 1,500 2,100 2,600 +197.3% +1,725
為替レート
1ドル=円​
145.31 144.00 131.00 125.00
[単位:百万円]
売上高の拠点別内訳(2025~2027)​
2024/5 2025/5 2026/5 2027/5 STEPⅠとSTEPⅡ
最終年の比較
実績 計画 計画 計画 (率) (額)
売上高 103,478 105,300 106,000 109,000 +5.3% +5,521
国内 67,793 68,900 71,100 73,000 +7.7% +5,207
北中米 18,469 18,700 17,300 18,700 +1.2% +230
中国 8,098 8,000 7,800 7,900 △2.5% △198
アジア 9,116 9,700 9,800 9,400 +3.1% +282
[単位:百万円]
セグメント別内訳(2025~2027)
2024/5 2025/5 2026/5 2027/5 STEPⅠとSTEPⅡ
最終年の比較
実績 計画 計画 計画 (率) (額)
自動車・車両内装事業 売上高 62,800 64,180 63,620 65,080 +3.6% +2,279
セグメント
利益
4,427 4,610 5,130 5,540 +25.1% +1,112
インテリア事業 売上高 37,142 38,040 38,790 40,030 +7.8% +2,887
セグメント
利益
946 1,000 1,130 1,360 +43.7% +413
機能資材事業 売上高 3,127 2,650 3,090 3,390 +8.4% +262
セグメント
利益
△66 △180 90 170 +236
その他 売上高 407 430 500 500 +22.7% +92
セグメント
利益
76 90 130 170 +123.3% +93
調整額 セグメント
利益
△2,083 △2,220 △2,280 △2,240 △156
合計 売上高 103,478 105,300 106,000 109,000 +5.3% +5,521
営業利益 3,300 3,300 4,200 5,000 +51.5% +1,699

資本コストと株主還元

資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応​

  • 現状分析

    • 株主資本コスト:5~7%
      算出方法…
      CAPMで算出、リスクフリーレート(約1.0%)+ ベータ値×市場リスクプレミアム(約6.0%)
      リスクフリーレートは国内長期金利より参照、ベータ値は自社計算
    • ROE:2.9%(2024/5実績)
      ROEは資本コストを下回った状態が続いており、PBRも1倍割れの状態で継続して推移している
    • PBR:0.5倍(2024/5実績)
  • 方針

    • ROE:8%(2027/5目標)
    • ROIC:8%(2027/5目標)
    • PBR:1.0倍(2027/5目標)
    • WACC:4%(2027/5目標)
    • 配当性向:38%(2025/5より)

資本コストを上回る企業価値向上のための取り組み​

市場の期待を上回る価値創造の実現を前提に、ROE8%以上を達成するため、収益率の向上・資本効率の向上・財務レバレッジの利用に徹底して取り組みます。

  • ROE向上のための取り組み

    • 収益率の向上
    • 資産の有効活用
    • 財務レバレッジの利用
  • 収益率の向上

    経費の削減

    財務体質の改善

    北中米拠点の収益拡大

    インテリア事業の収益率改善

    現預金・借入金の適正化

    在庫の適正化

    固定資産の活用

    内部留保の活用

    在庫回転率による管理

    生産設備の稼働率向上

    株主還元・人的資本への投資

キャッシュ・アロケーション

IR活動の充実

引き続き、統合報告書やホームページのサステナビリティ活動の内容更新など、IR 関連情報の発信に積極的に取り組みます。
また、IR 面談や会社説明会などの機会を増やすことで株主・投資家の皆さまとコミュニケーションを図り、当社グループへのさらなる理解と透明性の確保に努めてまいります。

  • IR活動によるコミュニケーションの強化

    • 個人投資家・機関投資家向け説明会の回数増
    • 開示資料の充実化
    • 英文開示への対応
    • ホームページ・SNSを活用した積極的な情報発信
    • 広報活動による認知向上
  • 株主・投資家との対話の実施状況

    • 機関投資家・アナリスト向け決算説明会
    • スモールミーティング
    • 1on1 ミーティング
      2019年比
      回数が約3倍に増加
    • 個人投資家向け説明会

株主の皆さまへの還元

株主の皆さまへの利益還元を重要な経営課題と考えております。安定的な配当と業績の動向を勘案しながら、適正な成果の配分を継続してまいります。

株主還元方針

  • 安定した株主還元

    • 配当時期については、中間および期末の年2回を基本とします。
    • 急激な環境悪化など不測の事態を除き、下限70円を維持します。
  • 継続的な還元拡充

    • 配当性向33%から38%に引き上げます。2027/5は年間配当金140円を目指します。
    • 自社製品を含む株主優待制度を引き続き実施します。

4. マテリアリティ

社会的責任に関する国際規格、サステナビリティに関する国際基準から導き出した、中長期経営目標における課題をもとに、
社内外のステークホルダーへのインタビューや調査を経て、マテリアリティを特定しました。

分野 マテリアリティ(重要課題) テーマ
価値創出
収益機会
イノベーションを通してSUMINOEブランドの
社会的価値を向上させる
価値ある製品・サービスの提供
デザイン・質感・機能性を追求し、あらゆる空間に快適な環境を提供する
伝統・技術の継承と発展
環境配慮型製品の開発・製造・販売
E
(環境)
KKR+Aの開発基本理念と
環境対策宣言で「地球との調和」を推進する
地球環境の保全
気候変動問題への対応
省エネルギー・高効率による生産
資源の効率的利用、廃棄物削減
環境マネジメント体制の強化
生物多様性の保全
S
(社会)
人権尊重とダイバーシティ&インクルージョン
人材の育成・活用
グループ理念の浸透、働きがいのある労働環境の整備
労働安全衛生・健康経営
働き方改革、ワーク・ライフ・バランス
製品安全・品質マネジメント
サプライチェーン・マネジメント
G
(ガバナンス)
透明性の確保を通じて企業の信頼の基盤を構築する
ガバナンスの強化
コーポレートガバナンスの向上
コンプライアンスの徹底、不当競争・腐敗の防止
リスクマネジメントの強化・事業継続の推進(BCP)
情報セキュリティの強化
適切な情報開示、ステークホルダーエンゲージメント