中長期経営目標

中長期経営目標

1. SUMINOE GROUP WAYの方針

中長期的な「ありたい姿」を見据え、2027年5月期までの方針を定めました。


2. 財務目標

3ヵ年連結収支計画

[単位:百万円]
3ヵ年連結収支計画・実績(2022~2024)
2021/5期 2022/5期 2023/5期 2024/5期比 2021/5期比
※計画(2023/7/14付)
との比較
実績 計画 実績 計画 実績 計画 計画
(2023/7/14付)
売上高 79,702 86,480 81,713 90,360 94,828 93,490 99,000 +19,297 +24.2%
営業利益 1,049 1,160 110 2,520 1,294 3,300 2,600 +1,550 +147.8%
営業利益率 1.3% 1.3% 0.1% 2.8% 1.4% 3.5% 2.6%
経常利益 1,211 1,350 950 2,730 1,575 3,530 2,700 +1,488 +122.8%
親会社株主に帰属する当期純利益 409 620 281 1,280 320 1,960 1,300 +890 +217.5%

セグメントごとの成長戦略

主なセグメント別数値目標・実績 [単位:百万円]
実績 3ヵ年連結収支計画・実績(2022~2024)
2021/5期 2022/5期 2023/5期 2024/5期
策定時計画 実績 策定時計画 実績 策定時計画 期初計画
(2023/7/14付)
インテリア事業 売上高 31,024 33,750 32,811 34,430 36,598 35,120 36,640
営業利益 579 400 911 450 977 520 1,070
自動車・車両内装事業 売上高 45,102 48,980 45,005 51,910 54,314 54,170 58,800
営業利益 2,102 2,800 1,127 3,590 2,230 4,170 3,630
機能資材事業 売上高 3,130 3,410 3,548 3,680 3,550 3,840 3,200
営業利益 △87 △140 △192 150 90 190 △30

インテリア事業

主要製品: カーテン、カーペット、ラグ・マット、壁紙 等


強 み

  • 環境対応型製品、高機能製品の開発力・供給体制
  • メーカー・卸・工事業者としての多面性
  • 空間全体の設計・デザイン、コーディネート力
  • 伝統技術の継承による伝統工芸品の製造力・開発力
  • 他事業との連携による営業力

弱 み

  • ブランド認知度の低さ
  • 主力製品であるカーペットの需要減少

機 会

  • 環境対応型製品の需要増加
  • ライフスタイルの変化による内装材への関心の高まり
  • 働く環境の多様化による、空間全体の設計・提案の需要増加

脅 威

  • インテリア市場規模の縮小
  • 住宅着工件数の減少
  • 原油などの原材料価格の高騰
  • サプライチェーン減少による原材料の供給不安
[単位:百万円]
3ヵ年連結収支計画・実績(2022~2024)
2021/5期 2022/5期 2023/5期 2024/5期 2021/5期比
※計画(2023/7/14付)
との比較
実績 計画 実績 計画 実績 計画 計画
(2023/7/14付)
売上高 31,024 33,750 32,811 34,430 36,598 35,120 36,640 +5,615 +18.1%
営業利益 579 400 911 450 977 520 1,070 490 +84.5%
営業利益率 1.9% 1.2% 2.8% 1.3% 2.7% 1.5% 2.9%
戦略・施策と2022年5月期の進捗評価
戦略・施策 進捗 戦略・施策 進捗
環境対応型製品の拡充・拡販 在庫稼働率の圧縮
抗ウイルス壁紙の商品化および発売 直営EC事業の強化
ブランドイメージの発信強化と浸透 デリバリーの簡素化 ×
ハウジング向け商品の開発 ――――――

自動車・車両内装事業

主要製品:自動車内装材(天井材、シート表皮材、床材、トランクルーム、ほか内装材全般)、鉄道・バス用内装材(シート表皮材、壁装材、床材、カーテン、シートクッション等)


強 み

  • 自動車内装のトータルコーディネート力
  • グローバルな生産拠点による品質・供給の安定性
  • 強靭なグローバルサプライチェーン
  • 複数事業の技術融合による新素材の開発・提案力

弱 み

  • 各海外拠点が持つ技術・ノウハウ集約の不十分さ
  • 外的要因による価格変動への対応力

機 会

  • 外的要因による価格変動への対応力
  • 環境対応型商材の需要増加
  • 軽量化・吸音性に優れた繊維系商材の需要増加

脅 威

  • 少子高齢化や若者の車離れによる国内生産車台数の低迷
  • 低価格競争の激化
  • 海外自動車内装表皮材メーカーの新規市場参入
カーペット
モケット、枕カバー、カーテン

強 み

  • 業界トップのシェア率
  • 車両内装のトータル提案力
  • 安全性に優れた環境対応型商材

弱 み

  • 生産工場設備の老朽化
  • 人材の高齢化
  • 交通業界の落ち込みから受ける影響の大きさ
  • 海外向け実績の不十分さ

機 会

  • アフターコロナの旅行者・訪日外国人数の増加
  • MaaSの実用化による公共交通機関の利用者増加
  • 抗菌・抗ウイルス加工製品の需要増加

脅 威

  • 少子高齢化による公共交通機関利用者の減少
  • テレワーク・時差出勤の定着による出張減少やラッシュ時間緩和による車両保有台数減少
  • 原材料価格の高騰
[単位:百万円]
3ヵ年連結収支計画・実績(2022~2024)
2021/5期 2022/5期 2023/5期 2024/5期 2021/5期比
※計画(2023/7/14付)
との比較
実績 計画 実績 計画 実績 計画 計画
(2023/7/14付)
売上高 45,102 48,980 45,005 51,910 54,314 54,170 58,800 +13,697 +30.4%
営業利益 2,102 2,800 1,127 3,590 2,230 4,170 3,630 +1,527 +72.6%
営業利益率 4.7% 5.7% 2.5% 6.9% 4.1% 7.7% 6.1%

自動車 内装

戦略・施策と2022年5月期の進捗評価
戦略・施策 進捗 戦略・施策 進捗
環境対応型商材の開発・販売促進・活用 新規部位・少工数生産をキーワードとした開発
次世代自動車内装の開発 新工法によるファブリック素材の開発
最適調達による原価低減 グローバル各拠点の情勢・課題に沿った開発展開
海外への横展開 ――――――

車両 内装

戦略・施策と2022年5月期の進捗評価
戦略・施策 進捗
回復が見込まれる改造・張替工事の受注拡大 ×
新規商材の開発・拡販
環境にやさしいファブリックの開発
シェアの拡大
新触感スミキューブ®(シートクッション材)の提案・受注

機能資材事業

ホットカーペット

消臭・フィルター関連

強 み

  • 独自性のある機能材・機能加工技術
  • 環境対応技術力
  • 高品質製品・高レベルな開発を実現する組織体制

弱 み

  • OEM事業による需要変動への脆弱な耐性
  • 繊維系に限られた家電商材
  • ブランディング浸透の遅れ
  • 多分野対応による推進力の分散

柿ポリフェノールサプリメント
「柿ダノミ」

浴室床材

航空機向け内装材

リサイクルポリエステル長繊維「スミトロン®」

スマートテキスタイル    他

機 会

  • 脱炭素社会、少子高齢化、健康・衛生志向の高まり、DX変革などの外部環境変化による新たなニーズの発現
  • 在宅時間の増加・プライベート志向
  • 高品質製品・高レベルな開発を実現する組織体制

脅 威

  • パンデミックなどの予期せぬ外部環境の変化
  • 市場成熟化、商品低価格化、価格競争激化
  • 少子高齢化などによる消費動向の変容
  • 海外事業所所在地域の国状変化
[単位:百万円]
3ヵ年連結収支計画・実績(2022~2024)
2021/5期 2022/5期 2023/5期 2024/5期 2021/5期比
※計画(2023/7/14付)
との比較
実績 計画 実績 計画 実績 計画 計画
(2023/7/14付)
売上高 3,130 3,410 3,548 3,680 3,550 3,840 3,200 +69 +2.2%
営業利益 △87 △140 △192 150 90 190 △30 +57
営業利益率 4.1% 2.6% 4.9%
戦略・施策と2022年5月期の進捗評価
戦略・施策 進捗 戦略・施策 進捗
繊維系暖房商材の海外事業所再編と供給体制の最適化、事業力強化 柿渋などの機能天然材を活用した新たな健康食品や日用品の開発と拡販
機能材、加工技術の活用による新たな商材開発と拡販 スマートテキスタイルを活用した新たな事業化推進
消臭加工や抗ウイルス加工など機能加工による新たな商材開発と拡販 技術開発部門との連携と営業開発力の強化
航空機QMS JIS9100による航空機内装材の適切な品質管理と製品供給体制の維持推進 ――――――

成長戦略 “抗菌・抗ウイルス” —全部門

インテリア

  • 業務用カーペット、カーテンでの商材の拡充
  • 家庭用カーペットでの商材の拡充と他の機能とのコンビネーション強化
  • 抗ウイルス加工壁紙の開発

自動車・車両(自動車)

  • 抗菌・抗ウイルス加工の標準化
  • 数量確保により低価格化を実現

自動車・車両(車両)

  • 抗ウイルス加工のモケット・カーテン・カーペットの拡販

機能資材

  • 各分野での商材の開発・販売
  • 抗菌・抗ウイルス「スミノエフレッシュTMフィルター」の拡販

技術・生産

  • 空間に対する機能性(消臭、抗菌、抗ウイルス等)商品の開発

研究・技術開発

機 会 脅 威
  • 安心安全に対する意識の高まり
  • 高齢化による介護産業の変革や働き手不足
  • バイオ・バイオマスプラスチックを用いた商品需要の高まりおよび従来の石油由来製品の展開に伴うリスク
  • 当社保有特許に対する知財紛争リスク
戦略・施策と2022年5月期の進捗評価
戦略・施策 進捗 戦略・施策 進捗
浴室内装商品の高機能化 バイオプラスチック活用の基礎研究
床表示フィルムの改良 木質バイオマスからの有益物質抽出の基礎研究
複合機能加工薬剤の研究開発・商品化 スマートテキスタイル:水濡れ検知システムや発電繊維の商品化に向けた取り組み
抗菌・抗ウイルス機能の技術開発と評価技術の構築
天然物を利用した新規商品開発 ――――――
スマートテキスタイルの提案

投資・資本政策について

  • 既存事業の強化と事業規模拡大のため、積極的に設備投資とM&Aを行います。
  • 最適な資本構成を目指します。

プライム市場上場維持を目指した取り組み

2022年4月、東証市場が再編され、新市場区分へ移行しました。当社グループはプライム市場上場維持基準をクリアするため引き続き、あらゆる施策を講じます。


  • 既存事業の強化、積極的な設備投資・M&Aによる企業価値の拡大
  • 積極的なIR活動による、投資家とのコミュニケーションの強化と知名度向上
  • 株主還元策の強化
  • 流通株式数の増加に向けた取り組み      等
プライム市場上場維持基準 当社グループの状況
株主数 800人以上
流通株式数 20,000単位以上
流通株式時価総額 100億円以上 未達
売買代金 1日平均売買代金0.2億円以上
流通株式比率 35%以上

※2023年5月31日時点

DEレシオ改善計画

有利子負債を圧縮してDEレシオを改善し、企業価値の向上につなげます。

※DEレシオ…
有利子負債(リース債務除く)純資産(非支配株主持分除く)

株主還元について

株主のみなさまへの安定的な配当を前提とし、業績の動向と事業拡大への投資を勘案しながら、適正な成果の配分を行います。

配当時期については中間および期末の年2回を基本といたします。


IR活動を積極的に行うことで、株主のみなさまとのコミュニケーションを強化してまいります。

3. 非財務目標

CO2排出量削減への取り組み

1990年に「スミトロン®」を開発して以来、当社グループ製品によるCO2排出量の削減に取り組んできました。
2021年6月、CO2排出量削減と環境負荷低減をさらに強化するため、CO2削減見える化委員会を発足しました。


製品でのCO2排出削減貢献量

  • タイルカーペットの循環型リサイクル
  • 「スミトロン®」等再生糸の使用量拡大
  • 再生PET綿・再生樹脂材の使用量拡大

事業活動でのCO2排出量の削減

  • 物流改善、生産拠点の一元化
  • エネルギー効率向上と使用燃料の変更
  • 働き方改革

環境対応型商材の開発

「K(健康)K(環境)R(リサイクル)+ A(アメニティ:快適さ)」の開発理念をベースとした研究開発をさらに加速させ、脱炭素社会に貢献します。


(CO2削減に貢献する環境対応型商材の例)


  • 水平循環型リサイクルタイルカーペット「ECOS®」

    • 2011年発売
    • 業界トップクラスの再生材比率最大84%、CO2削減貢献量最大40%を達成(ECOS iD-8100の場合)
    • これまでの10年間で約9万tのCO2を削減
    • 次の10年間で約22万tの削減を目指す
    表面のパイル糸に原液着色糸を使用した「ECOS®」
  • 「スミトロン®」

    • ペットボトルの再生ポリエステルチップを50%以上使用
    • 耐候・耐熱性に優れているため長期使用が可能
    • 環境負荷が少ない原液着色方式

    原液着色糸への転換

    従来、カーペット表面のパイル糸の染色は、染色処理に伴う排水処理が必須で、大量の水・電力を使用する「後染め」方式で行ってきました。現在、排水の問題がなく、水・エネルギーの削減からCO2排出量も少ない「原液着色糸(紡糸段階で顔料による着色を施した糸)」の使用に転換しています。

Governance(ガバナンス)の取り組み

これまでの取り組みをさらに推進し、法令・企業倫理を遵守し社会から信頼される企業を目指します。


  • 基幹システムの再構築
  • 社外取締役による経営の意思決定の強化
  • 歩き回る経営による双方向コミュニケーション
  • コンプライアンス研修の継続実施
  • 「企業倫理ホットライン」のさらなる周知
  • グローバル・リスクマネジメントの強化
  • BCP行動計画

4. 当目標期間に強化する取り組み

奈良事務所再編

技術開発センター棟

2022年5月、当社グループのマザー工場として進化してきた奈良事業所を、より時代に即した工場としてリニューアルしました。

  • 価値創造力向上
    ■「新しい製品をつくる」「技術者を育てる」「それを住江織物グループに供給する」というマザー工場としての役割強化
    ■技術者連携による研究開発と製品開発機能の強化技術開発センター棟を新設)
  • 生産性向上
    ■生産設備の集中(奈良事業所はインテリア、滋賀事業所は自動車内装材をメインに)
    ■「ECOS®」の生産拠点としてのさらなる基盤強化
    ■高効率な物流拠点へのリニューアル(生産から出荷までの機能的な動線の実現)と製品在庫の圧縮
  • 環境負荷低減施策
    ■染色設備、排水処理場の撤去
  • 不要な生産設備と敷地の1/3を占める遊休資産の売却

スペース デザイン ビジネスの強化

当社インテリア事業ではカーペットや壁紙など、「面」を彩る製品を製造販売し、高い評価をいただいてきました。今後はこうした製品の提案にとどまらず、「空間」全体の設計・デザインにも事業領域を拡大していきます。

2020年には店舗設計について深い知見と卓越した施工ノウハウを持つ株式会社シーピーオー、さらに2022年にはカーテンを中心としたインテリアオプション販売事業を行う株式会社プレテリアテキスタイルが、グループに加わりました。

それぞれの強みを相互に生かし、ホテルやオフィスを含むスペース デザイン ビジネスにおいて、お客さまのご要望をさらに高いレベルで具現化していきます。

インテリジェント インテリア 2.0

ホテル内装を手掛けるインテリア事業部門と、自動車・車両内装事業部門がタッグを組み次世代車内装をつくりだす事業横断プロジェクト“インテリジェント インテリア 2.0”を進めています。CASE・MaaS時代の新たなカーインテリアを“ONE SUMINOE”で探求していきます。


企業ブランディング

当社グループのステークホルダーに、理念・事業を深く理解し、共感していただくため、IR活動や広報活動を強化


CO2排出量削減への取り組み

事業運営、製品ライフサイクルにおけるCO2排出量の削減


働き方改革

健康に働ける職場環境づくり、人材育成、多様な人材の活用


基幹システムの再構築

事務作業の効率化、収支・在庫データ等の一本化、IT人材補強


財務体質の改善

・DEレシオ改善(有利子負債の圧縮)・在庫回転率アップ ・自己株式の活用